【第16回】君にさよならを言わない(9/12読了)
こんばんは、涼歌です。
今回は七月隆文さんの「君にさよならを言わない」です。
この方の書かれた「僕は明日、昨日の君とデートする」を読んでファンになり、
本作品を読むことにしたのですが、結論から言うと正直ガッカリでした。
交通事故がきっかけで幽霊が見えるようになった主人公の児玉明(こだま あきら)
を中心に本作は展開されます。この世に未練を持って成仏できない幽霊たちの願いを
叶えるべく、主人公は暗躍するのである。
本作は短編集で、各々のボリュームが非常に少なく(平均70ページ程度)、なおかつ
この作者独特だが、改行があまりに多く行なわれるため、物語1つ1つがとても
薄っぺらく感じられた。(大どんでん返しのようなものも特にはない)
何だか、安っぽい青春ドラマを見せられているような、そんな気分にさせられて
はっきり言って全く感情移入できなかった。特に「前略 私の親友」での犯人との
取っ組み合いなんかはとてもひどい。描写が淡々としすぎていて、臨場感が感じられない。
しっかり調べたわけではないが、「僕は明日、昨日の君とデートする」の方が
後に書かれたのでしょうから、そこは少し安心しました。
あと、繰り返すようだが、改行が多すぎる。それは「僕は明日~」でも
少し感じていたことですが。(ただあの作品では、そうすることが味を出していたように思う)
※短編作品では改行が多すぎるのは逆に読みづらいかもしれませんね。そう思わせ
られました。
■評価(10段階、5が平均)